千と千尋の神隠し、2001年に公開された映画です。
公開当時、私は大学生。
千尋のお母さんの冷たさ、塩対応に驚いたものです。
あれから20年、娘が千尋と同じ小学4年生になりました。
しかも、我が家は娘が小4になるタイミングでお引越しをしました。
ちょうど現在の私は、千尋の母親と状況が同じなんですね。
20年経って観てみると、私、千尋の母親みたいなひどい言い方してる時があると気が付きました。
目線を合わせないこともありますよ。
千尋の母親を非難なんてできないし、むしろ共感というか、同情というか、勝手に妄想を膨らませて親近感を感じてしまいました。
20年前は、千尋の母親を軽蔑していたのに。
千尋の母親の態度は、冷たくない。
こんなもんです。
いつもではないけど、私も普段、あんな感じな時が多々ある。
なぜ、そうなってしまうのか、同じ立場の主婦として、自分がそうなってしまう理由を思い浮かべてみました。
引っ越し準備の荷造りで寝不足

家族全員揃っての引っ越しの準備は大変です。
ファミリーだと荷物がたくさん。
結婚した時の思い出の品々やアルバム(写真)から、家財用品から全ての梱包をしなければなりません。
千尋の父親は、自分の分を荷造りするとは思えないので、夫の分もやらなくてはいけません。
夫の謎のコレクション(もうデザインやサイズが合わなくて着られないのにとっておいてる洋服や靴、大量の書籍、放置されたままの書類など)も、結局は妻が梱包する羽目になる場合って多いと思う。
千尋もまだ自分の荷造りを一人で完結はできないでしょう。
学校関連の教科書やプリント、すべて目を通しているもの・いらないものを仕分けする作業。
とっても大変です。
食器類も家族が多ければ多いほど量が半端ない。
千尋が自分の荷物をまとめる作業をしなくてイライラもしたことでしょう。
千尋のお気に入りのおもちゃや雑貨、全て持っていくのか、いくつか処分するのか、本人にやってもらう必要もあります。
千尋は家ではぐーたらしてる感じなので、やっといてねと言ったことを何日経ってもやらずに放置しているにちがいない(断定)。
これは、かなりイライラさせられる。
引っ越し業者が運び込む荷物の荷ほどきが待っている
新居に着いてからが本番です。
荷ほどきをして、とりあえずの衣食住の環境を整えなければいけません。
学校にすぐ通う場合は、その手続きと通学関連のグッズの準備・確認が必要です。
無事に新しい学校に通えるように、いろいろ先を読んで考えるのって、精神的に消耗しました。
失敗すると、大変な目に遭うのは子どもですからね。考えすぎてグッタリします。
夫の身勝手さにうんざり
引っ越しの理由は映画の中では語られていませんが、「やっぱ田舎ね」という千尋母のセリフから、あんまり乗り気な引っ越しではなかったことがうかがい知れます。
夫に仕方なく合わせている感じでしょうか。
家族の最善の道を考えて引っ越しに同意はしているものの、本心では夫に合わせてられっかと毒づいている。
学校関係の繋がりや、いいクリニック、いいお店の情報など、一から環境を整えることを面倒くさく感じている。
今までのような人間関係を構築することは大変だから、できれば学区内で引っ越しをしたかった。
話し合って決めたことだから夫には言わないけど、内心で夫の仕事のせいで~と、千尋と同じように母親も本音は残念に思っている。
しばらくは孤独とお付き合いすることになる。
夫に合わせるのが一番ラクと気が付いている
無意識なのかもしれないけれど、長年一緒に連れ添っていると、配偶者の行動パターンがわかるので、一番自分がラクできる行動をとるようになる。
「ちょっと見てこうよ」と言った父親に対して、本当は引っ越し業者も来るから早く新居に行きたい。
だけど、本気で反対しても夫が考えを変えないことはわかっている。
ここは夫に合わせて、逆に楽しんでしまったほうが正解。
それなのに、うだうだ文句を言う千尋。
寝不足や、今後やらなきゃいけない諸々のことを考えるだけでイライラしているので、ここで千尋に真っ向から向き合ったらぶちぎれてしまいそう。
だから、目線を合わせない。
冷たい言葉しか言わない。
こっちは夫に合わせて家族で楽しく過ごせるように心がけているってのに。
早く、千尋、気が付きなさいよね。
・・・って感じでしょうか。
あ、でも、勝手にお店のもの食べるところまで、夫に合わせるのは「ないわ~」と思いました!
歳を重ねると夫婦は似てくるといいますが、気をつけなきゃですね。
千尋はギャングエイジ
小3くらいから、とにかく口答えが多くなった。ギャングエイジの意味はこちら↓
ギャング・エイジは、それまでの親や教師への一方的依存関係から脱却して、より対等で相互的な人間関係や自発的な組織構成を求め、幼いなりの自治組織をつくるための発達上かなり必然的な要求からおこると考えられる。ときとして、集団による権威への反抗という形に逸脱することもあるため、親や教師からはギャング・エイジの仲間集団は反逆や非行のしるしのようにみえるが、本質的には子供はこれによって相互性、責任感、役割分担、自他の個性、支配―服従関係などを学ぶと考えられる。
ーコトバンクより抜粋ー
思春期の入口にはいったところ。
とにかく、反抗的。何にでも口答え。
成長の一過程とわかっていても、日常で毎度毎度突っかかってこられると、「優しいお母さん」でいるのも嫌になってきます。
娘とは何度もバトルを繰り広げたり、逆に大人扱いして少し距離を置いたりしたり。
グズグズな千尋が、しっかりした子になってほしいと常々思っている
グズグズしている千尋にわざと距離を置いて接することで、自立を促しているようにも見えました。
普段はつっかかってくるけれど、優しくすると、どこまででも都合よく甘えてくる。
逆に思い切り優しい母親になって、見守ることを心がけるようになったら、つっかかってくることも無くなり、自然と外との関わりの中で成長していけるような気がする。
千尋の母親も、イライラしていない時は、冷たい感じではなく、穏やかな母親であることを願います。
まとめ
20年経つと、同じ映画でも着眼点や感想が、面白いくらい変わります。
母親になると、母親目線で映画を観てしまいますね。
孫ができたら、おばあちゃん目線で観るようになるのかな?
その時は、湯婆婆の過保護になってしまう気持ちが理解できるんだろうか。
(坊は湯婆婆の息子の設定だけどね)
めちゃくちゃ主観で書いてしまいましたが、とにかく、千尋の母親に共感してしまった話でした。
今、ジブリの曲をピアノで弾いています。
バイエルの下巻を練習中の私でも、こちらの楽譜は練習したら弾けました。
入門者用にアレンジされています。
1と2がありますが、2のほうに千と千尋の神隠しの「いつも何度でも」「あの日の川」「ふたたび」が掲載されています。
ピアノ初心者の人にお勧めです。
娘はピアノをやめてしまったけど、私が細々続けています。
https://kamonemudo.com/piano-lesson/
私がピアノを楽しんでいるので、娘も時々弾くようになって嬉しい限りです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。