法曹三者とは、裁判官・検察官(検事)・弁護士のこと。
公立小学校では、小学校高学年(5・6年)になると、将来の仕事としてどんなものがあるか、調べ学習があります。
娘が興味を持ったのは裁判官でした。
傍聴に一時期ハマっていた夫の勧めもあり、裁判の傍聴に母子で行ってきました。
少しでも興味を持っていたら、小学校高学年での裁判の傍聴はとても良い経験になりますよ。
- 裁判を傍聴する方法を知りたい
- 小学生だが裁判を傍聴していいのか、なんか心配
- 実際に小学生が傍聴した感想を知りたい
裁判の傍聴をする方法
私達は、家から一番近い立川地方裁判所(東京地方裁判所立川市部)に行きました。
裁判をやっている時期、時間帯
裁判は、基本的に平日の月曜日~金曜日の午前10時頃~午前12時と午後1時~午後4時過ぎまで、何かしら行われています。
土・日・祝日や、年末年始などの特別な時期はやっていません。
また、夏休み期間は裁判の件数が少なめになること、傍聴したい人が多いことから、傍聴席が抽選になることが多いようです。
傍聴は予約不要。無料。
正面玄関を入ったら、空港ばりの荷物検査と身体検査があります。
検査を終えてすぐの左側に、開廷表ファイルが1冊置かれていました。
どのような事件が、どの法廷(部屋番号が記載)で、何時から審理されるのかを知ることができます。
インデックスで、「刑事」「民事」「簡易」と分けられているので、気になる事件の開廷時間に合わせて部屋に向かいましょう。
初心者が傍聴してわかりやすいのは「刑事事件」です。今回は、刑事事件を2件傍聴しました。
持ち物と注意点
裁判所の敷地内に入った瞬間から、カメラ撮影は厳禁となります。もちろん、録音も×。
傍聴マニアかな、と思われる方々は皆さんノートとペンを手に持って、所内を移動していました。
私も、娘にスケッチブックと鉛筆を持たせて来ていました。娘は法廷の中をスケッチしたいと要望していたので。
紙と鉛筆は、親子で筆談するのに良かったです。
ヒソヒソ話であっても、傍聴席では会話が禁止されています。
子どもは「どっち側が検事?」とか、「裁判官の下に居る人って何者?(書記官のことですね)」とか、いろいろ親に確認したがるので、全て筆談で対応しました。
事前に声は出せないから、筆談で話そうねと子どもと決めておきましょう!
傍聴席は、私達が傍聴した法廷では48席ありました。
- 筆記用具を持参しよう
- スマホはマナーモードにして鞄にしまい込もう
- 何かあったら筆談することを親子で決めておこう
傍聴は途中入退室が自由です。
無理して最後まで聞く必要は無いので、興味のある裁判を傍聴しましょう。大切なのは、傍聴する時は静かにしていることです。
実際に傍聴した刑事事件2件
自動車運転過失致死
朝、車で通勤中に、信号の無い横断歩道をうっかり減速せず通過、高齢のおじいちゃんを轢いてしまった事件。
それまで平和に暮らしていた被告、被害者、双方の家族ともに不幸になってしまった。
被告が反省しきりなのが印象的でした。
身内を亡くした遺族は、やるせない気持ちを被告に向けるしかないのが切ないです。
弁護士は、被害者遺族への謝罪のタイミング、献花に訪れた回数やタイミング、今後車を二度と運転しないと誓っていることなど、被告人の反省しているエピソードを全面的にアピールして、執行猶予を求めていました。
法律では「横断歩道がある場合は歩行者優先」です。
「そうは言っても車が減速せずに走ってきたら、歩行者は横断歩道を渡らないでしょう」という思いこみ・考えが事故を起こす前の被告人にはあったんだよね、と裁判官が被告人に諭しつつ、反省を促していました。
交通安全ルールをしっかり守ることの大切さを再認識した事件でした。
強制わいせつ、傷害
お酒が入ると理性が利かなくなるおじさんが被告。
20代の若い女性を路上で襲おうとするも、女性の彼氏がすぐに助けに入る。被告は彼氏に骨折を負わせるほどの暴力をふるう。
どうしようもない人間っているんだなと・・・。あんまりにも罪の内容が小学生には聞かせられないくらいひどかったら、早々に退室するつもりで親子で傍聴しました。
拘置所から被告人は来ていたので、被告人の両脇には制服を着た刑務官が。
前の自動車運転過失致死の被告人はスーツ姿(恐らく保釈されている)だったので、この違いは何なのか子どもは興味津々でした。
小学生の感想
- 検事と弁護士は、現実では「異議あり」とか叫ばないことがわかった。
- 書記官の仕事が何なのか気になった。
- 被告は男ばっかり。
- 交通事故の裁判が、心に残った。
- 裁判官の似顔絵を書いてみた。
無関係の人間が、裁判の傍聴に行くのは失礼ではないのか?
私もそう思っていました。
しかも、子どもの社会勉強として興味本位で連れていくって、その裁判の被害者と、被害者の家族に失礼ではないのかって。
他人が興味本位で覗き込んでいいの?と思っていました。
だからこそ、その裁判に関わっている人達のことを考えたら、傍聴するからにはしっかり聞こうねって子どもと話をしました。
興味が湧いた裁判を傍聴するのですが、傍聴するからには真剣に聞くのが礼儀だよね、と。
ところで、裁判傍聴が何故できるのかというと、
- 国民の知る権利として傍聴は保証されている
- 法曹三者の仕事を監視する意味がある
という理由があるからなのだそうです。
自分自身も、いつ当事者になるかはわからないし、裁判がどういったものか国民の1人として知っておくためにも、傍聴って大事な制度だと感じました。
- 当事者を思って、礼儀ある態度で傍聴しようと親子で約束する
- 関係者に配慮して、待合室や廊下・階段などで、裁判の感想を言い合ったりしない。
- いつもの服装でOKだけど、周りになじむような派手すぎない恰好で行く。
小学生が裁判を傍聴してもいいの?
30分〜1時間、静かにできるなら問題なし。
裁判の傍聴に、年齢制限は特にありません。
ただ、犯罪内容を子どもに聞かせて大丈夫なのかは、各家庭での判断になります。
その子の性格や、感受性の豊かさにもよりますよね。裁判への興味関心の深さにもよるだろうし。
私は個人的には、少しでも裁判に興味を持ったら、裁判の傍聴に行くことはかなりの意義があると感じました。
将来、子どもが不登校になったら
もし、今後我が子が中学・高校に進学した時、学校が合わなくて不登校になったとしたら。
学校休んでもいいから、休む日は裁判の傍聴をしに行っておいで、と言うと思います。
「人生とは」「家族とは」「今の暮らしって当たり前じゃない」とか、色々考えるきっかけになると思うんですよね。
社会の仕組みをリアルに肌に感じて。いろんな人の人生を垣間見て。犯罪者を柵越しに実際に目の当たりにして。
もちろん、親子で感想を話し合って考え方が歪まないように親は気を付ける必要があるとは思うけれど。
まとめ
裁判所では小学生や中高生を対象にした裁判所見学ツアーが定期的に開催されています。
ですが、これらは実際の裁判を傍聴するのではなく、裁判所内を見学したり、検事からお話を伺ったり、法廷内に入って法曹3者になりきってみよう的なものが多いです。
やっぱりおすすめは個人で実際の裁判を傍聴することです。
百聞は一見にしかず。
興味がある時に、ぜひ裁判の傍聴をしてみてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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↓大人向き。軽く笑えて読める傍聴記。