公立中高一貫校受検(都立中高一貫校受検)を実際に親として経験し、感じたことを記事にしています。
今回は、適性検査型の併願私立に進学するメリットとデメリットについてです。
- 公立中高一貫校受検だと受検できる併願私立が限られてしまう理由を知りたい
- 適性検査型の併願私立に通わせるメリット・デメリットを知りたい
- 3人子持ちの主婦・薬剤師
- 公立中高一貫校受検に上の子が挑戦・合格した経験から記事を書いています
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公立中高一貫校受検だと併願できる私立が限られる理由
都立中高一貫校受検は「適性検査型入試」を実施しています。
都立中が行っている「適性検査型入試」で入試を行う私立中は、惜しくも都立中に入れなかった優秀な子を取り込んで、大学進学実績を上げたいという思惑から「適性検査型入試」も実施しています。
都立中を目指して対策してきた子なら、よほどのことが無い限り落ちることはありません。適性検査型入試の私立中は、しっかり公立中高一貫校受検対策してきた子にとっては全て「安全校」となるでしょう。
つまり、公立中高一貫校受検(都立中受検)対策のための受検勉強をしてきた子は、第一志望の都立中、もしくは、自分の実力よりかなり下の偏差値=安全校の私立中しか挑戦することができません。
「実力相応校」にそもそも挑戦できる機会がない。これは受験本番が近づくにつれて、子どもにとっても親にとってもかなりプレッシャーになります。
大多数の家庭は「都立」or「学区内の公立中」が進学先になる
そんな公立中高一貫校受検での安全校ですが、多くのご家庭では安全校を合格をもらうためだけに受検します。
その私立に進学予定が無かったとしても「合格」をもらっておくことは、今まで頑張ってきた受検勉強が形として報われるわけで、子どもの気持ちを整理するために絶対に必要だからです。
合格しても併願私立を選ばないのは、やはり進学するメリットが見いだせないからだと思われます。
- もともと公立志向が強い
- 私立を考える家庭は、私立型の勉強のみで私立しかそもそも受けない。もしくは適性検査型と並行して私立型の勉強もしている
わが家は珍しいパターンである、適性検査型入試で入れる私立中を第二志望としました。
もし第1志望校の都立中が残念だった場合は、第二志望校に進学するつもりでした。
適性検査型の併願私立に進学するメリット4つ
都立中受検本番の時に他の子より余裕を持てる
これは併願私立には合格し、これから都立中受検するぞ、という時にすごくメリットだと思ったことです。
うちの場合、2/1に第二志望の併願私立を受検し、当日夜に結果が出ました。
結果は合格。
娘にとって、「高校受験が回避できる」ことが大変嬉しかったようです。娘は後日談でぶっちゃけ、女子校である併願私立に当時は進学したかったとのこと。
めちゃくちゃ安心したそうなんですね。
都立中受検の2/3本番の日、試験会場である都立中は異様な雰囲気でした。
とにかく人・人・人・・・!
明らかに緊張してる子もいました。
多くの受検生にとって、当日の結果次第で都立中か、学区内の公立中か、運命を分ける入試。
頑張ってきた成果を発揮できるか、緊張しないほうがおかしいんですよね。
そんな中、娘は第二志望で進学するつもりの学校に合格していたため、なんだか余裕しゃくしゃくでした。
2/1の第二志望の併願私立受検前の時のほうが、顔がこわばって緊張していた。
結果的に、都立中の入試で実力をしっかり発揮できたんですね。
偏差値に囚われない学校生活を謳歌できる
学区内の公立中に進学した場合、3年後に高校受験、6年後に大学受験が待っています。
本腰を入れて受験勉強が必要になるのは中3と高3にはなりますが、ほぼ小4から高3までの9年間、偏差値や模試の順位を気にして生活を送ることになります。
「勉強」とは、本来は競争や順位を争うものではなく、好奇心や自分の知識を増やして自立するために行うものであって、他人と比較するものではない。
その「他人と比較される」ことからひと時だけでも解放されるのは大切です。
ずっと競争にさらされていたら、何のために勉強しているのかわからなくそうかな、と。
子どもが中学受検を精一杯に頑張れば頑張るほどに、バーンアウトしてしまわないか私は心配でした。
高校受験は回避できるなら回避させたい!
もちろん、私立中に進学して中高一貫で過ごせたとしても、勉強からは逃れられません。むしろ、私立中のほうが課題が山盛りで大変という話も聞きます。
それでも、受験を気にせずに学校生活をすごせる環境に、とても魅力を感じました。
校風・設備は申し分なし!
親子ともに校風を気に入った併願私立なら、気が合う同級生が多い可能性高し。
また、中学受験する層なので、親が教育熱心なのは間違いない。
やはり環境が、子どもにとって6年間過ごす価値があります。
設備は私立なので申し分ないです。細かいところですが、保護者への諸連絡やホームページの充実度など、公立とは比べ物にならないくらい良い。
正直、都立中高一貫校は、やっぱり公立なので設備はいたって普通です。
そしてホームページがわかりにくい。手続き関連の連絡も、保護者は頑張って読み解く必要ありです。
公立中高一貫校受検の願書や報告書の準備、発送はものすごく神経を使いました。入試案内が、古い情報が更新されていなかったり、混乱させる記述が散見していて。。。私立は恐らく外注しているため、簡潔で大変わかりやすかった。
私立には、お金を払うだけの価値があると入試準備や学校見学をして感じました。
高校受験のため、また進学塾費用を払うよりも、私立中にお金をかけたほうが良いのかも
ざっくりですが、学区内の公立中に進学して進学塾に通った場合と、私立中に進学した場合とでかかる費用を比べてみました。
- 1年生;公立中40万円ほど、塾20万円ほど
- 2年生;公立中30万円ほど、塾70万円ほど
- 3年生;公立中40万円ほど、塾90万円ほど
- 合計金額;290万円ほど
- 1年生;私立中160万円ほど
- 2年生;私立中120万円ほど
- 3年生;私立中120万円ほど
- 合計金額;400万円ほど
(塾代は、進学塾enaのホームページより計算しました)
enaの場合、小学部の本科に在籍していた場合は中1の塾の月謝が無料になりますが、テキスト代と季節講習費は別途かかります。その金額で算出しています。
私立中に通うほうが金額的には高くかかりますが、高校受験で難関都立を狙う場合の塾代を考えると、思ったほど大きな金額の差がないと私は感じました。
子どもの勉強へのモチベを維持するためにも、子どもの環境を買うという意味でも、併願私立進学はけして高くないな、と。
正直、中学受検で通ったenaにまた高校受験でも通うことが、子どもの心情的に良い選択だとは思えない、というのが一番の懸念点。
もし学区内の公立中に進学した場合、うちは少なくとも中1は塾に通わない選択をする予定でした。そして、おそらく高校受験ではenaを選択していません。
併願私立に進学した場合、学校が手厚く面倒見てくれるタイプの学校であれば、中学の間は学習塾に通う必要は無い可能性が高いです。
特に適性検査型の私立の場合、面倒見の良い学校が多く、レベル的にも余裕を持って中学生活を過ごせるのは大きなメリットです。
適性検査型の併願私立に進学するデメリット
子どもに合った私立を見つけるのが難しい
適性検査型の入試を実施している私立中は限られます。
その中から、自分の子に合うと感じる学校を見つけるのは難しく、そもそも偏差値を妥協しているのに、さらに何かを妥協する必要があったりします。
うちの場合、重視したのは下記6つ
- 校風が子どもに合っているか(子どもが行きたい・私も行かせたいと思えるかが最重要)
- 完全中高一貫校(高校受験で入れない=中学から入れて良かった!と思えるし大学受験に有利な授業進度であるため)
- 大学合格実績(推薦の充実度や、大学受験に臨みやすい環境かどうか)
- 1学年の人数(色んな人と関わってほしくて、少なすぎる学校は除外)
- 伝統校(知名度や伝統があることは、大人になってから役に立つ。古い考えだけど、大事に育てられたという良い印象を持たれる。あって損することはない。私自身の実感から。)
- 通学時間と電車の込み具合
うちは文化祭に足を運び、魅力を感じた私立女子校がありました。ですが、妥協した点は「通学時間」と「偏差値」でした。
通学時間は1時間15分ほどかかるため慣れるまで大変、でも他に選べる学校がありませんでした。偏差値はY40で、欲を言えばもう少し上を狙いたかった。
中高6年間、高い学費がかかる
そもそも私立に進学させるつもりなら、初めから私立型の受検勉強しかさせません。
数ある私立中の中から、子どもに合った校風の学校を選べますからね。
やはり、公立中高一貫校受検に挑戦する理由は、学費を抑えられることが最大のメリットなんですよね。
安い学費、かつ、中高一貫で色々な経験をする機会が得られます。
上の子が私立中高でかかる学費を考えると、その分を留学費用に充てられたのに・・・という後悔が残っただろうと思います。
また、下の子たちの習い事や塾を考える際に、やはり影響がでてしまいます。
併願私立のステータスや偏差値に納得できるか
私立中に高い学費を払って通わせる目的として、私立中のステータス(知名度)や偏差値は絶対にあります。
そして、私立中のステータスや偏差値が、大学進学実績に比例している事実。
適性検査型で受検できる併願私立は、やはりそこが弱い。親としては、私立に通わせる意味がないと感じてしまう部分です。
納得できる併願私立を探すことは、公立中高一貫校受検させる親の大仕事の1つではないかと私は思っています。
子どもは親の考え方で如何様にも考え方が変わります。
公立中高一貫校受検は毎回の模試の偏差値の上下が激しく、子どもを発奮させるために子どもと偏差値について話し合ったりはしたけれど、「偏差値で学校を選ぶ話」は一切しませんでした。中学受験案内の分厚い本もうちにはありませんでした。
そのため、子どもは私立の偏差値の順位を気にせず、校風を実際に見て行きたい学校を選べたので、そこは良かったと思っています。
まとめ:適性検査型の併願私立を見つけることは、選択肢が広がる
適性検査型の併願私立に進学するメリットとデメリットについて書きました。
- 都立中受検本番の時に他の子より余裕を持てる
- 偏差値に囚われない学校生活を謳歌できる
- 校風・設備は申し分なし!
- 高校受験のため、また進学塾費用を払うよりも、私立中にお金をかけたほうが良いのかも
- 子どもに合った私立を見つけるのが難しい
- 中高6年間、高い学費がかかる
- 併願私立のステータスや偏差値に納得できるか
公立中高一貫校受検を目指す場合、通ってもいいかも・・と思える適性検査型の併願私立を見つけることは、親子にとって心の余裕に繋がります。
本命の都立中受検で有利になることはあれど、不利になることはありません。
また、受検が終わって結果が出揃ってから、子どものメンタルや家庭の事情を考慮して、子どもの進学先を決定する際の1つの進路として大切になってきます。
参考になりましたら、とっても嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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