10代の頃に読んで、衝撃を受けた漫画です。
自分の人生、自分で頑張って切り開かないと主人公の岡村響子みたいになってしまうと本気で恐れおののいた10代の私。
どこに共感したかって、自意識過剰でクラスメイト(男)と上手くコミュニケーションが取れない高校時代の岡村響子が、自分にそっくりだったのです。
(主に男の人と)どう話していいかわからない。
上手く立ち振る舞えないのは、周りのせいと思いこんで自分を守る!
感情が退行。自分の気持ちを大事にしなくなる。
主人公の岡村響子は、「時代遅れなくらい厳格な父とそれに従う貞淑な母」がいる家庭で、いくつかのエピソードによって上記のような高校生になりました。
誰だっていろんな家庭環境で色んな育ちがありますね。
それまでの経緯は違えど、高校生の岡村響子と自分を重ね合わせてしまった私。
このままだと、この漫画の結末のように、悲惨な主人公の末路をたどってしまうと抱いた危機感。強迫観念。
その危機感に従って、自分の人生を自分なりに真剣に考えて、行動した若かりし頃。
おかげで、今があります。
ただの普通の主婦ですが、平凡な幸せをかみしめて生きてます!!!
自分で自分の道を切り開かないと!
自分を変えていかないと!
10代の私に、そう思わせてくれた漫画です。
それだけ、主人公の岡村響子の結末が、当時の私には死ぬより恐ろしい事と思えました。
ただ、大人になって現実的に読んでみると、最後のトドメは犯罪であり、その被害者になったら、被害者のそれまでの人生がどんなものだったかなんて関係なく、精神的に病んでしまいますね。
あくまで漫画の世界。
この漫画を読んでこのままじゃいけないと思わせてくれたことがすごい事なのです。
トラウマになる可能性はありますが、一読する価値のある短編です。
自分の娘にも、いつかどこかで読ませたいなと思っています。
下記に、山岸凉子先生の漫画との出会いについて延々と書いていますので、お時間ある方お付き合いください・・・。
山岸凉子先生の漫画が、心に刺さった
私の場合は、親がうつ病(後に双極性障害と判明)だったこともあり、家庭の雰囲気は良いものではありませんでした。
もともと消極的な性格と、人との距離感がわからなくて天然と言われるタイプだったこともあり、中学生になって自分には何もないと自信喪失しました。
経緯は違えど、岡村響子と同じような高校生になっていた。
女子校だったから、男の子と話す必要が無かったのは幸いでした(笑)
男の人と話すなんて一生無理と思い込んでいました。
図書館に行っては、フロイトやユングとかの本、臨床心理士の本、犯罪心理学の本、哲学的な本を読んでいました。
今思えば当然だけど、読んでもそれで人間関係の構築ができるようになるわけ無い。
当時は家族や友人に、自分の胸の内の苦しみを打ち明けたり相談するという概念がなかったんですね。
ひたすら、自分の心の苦しみを和らげるために、心理学などの本を読んで自分を理解しようと努めていました。
今ならインターネットを有効に使えば解決した悩みかもしれませんね。
そんな頃に出会ったのが、山岸凉子先生の漫画!私が求めていた漫画でした。
山岸凉子先生の漫画にハマった経緯
初めて読んだ山岸凉子先生の作品は、バレエ漫画「アラベスク」です。
確か、友人から借りて読みました。
線の細い繊細な絵柄のトリコになりました。
そして次に、日出処の天子を全巻揃え、厩戸皇子と毛人にハマる。
読んでは落ち込み、また読んでは落ち込む毎日・・・。結末が悲惨なんです。
聖徳太子ゆかりの地を巡った奈良旅行は、今でもかけがえのない思い出!
当時は、その落ち込む感情に癒やされていたような気がします。
そのあと短編集に行き着き、何度も読み返しました!
天人唐草、夜叉御前、鬼来迎が、心に残っている作品です。
あら、3つとも親子関係に切り込んでる作品だ!
こんなことあり得ない、あってほしくないと思うけれど、あり得るんだろうなと納得してしまう人間の怖い部分にサクッと踏み込んでいるところがおもしろかった!
最近時間に余裕があるので、また短編集を時々読み返して、人間の業の悲しさやら、心理描写の奥深さ、背筋が凍る感覚のおもしろさを堪能しています。
アラフォーになった今になって読むと、高校生の頃には別世界の話だった「結婚・不倫」がテーマの短編集も心に残りますね。
大人の男女関係の崩壊が、子どもにしわ寄せが来てしまう描写が秀逸です。
平和に過ごせることって、本当に奇跡なんだなと実感します。
あとは、山岸凉子先生は原子力発電について昔から危険性を指摘されていて、時代の先を読む天才なんだなと。本当にすごい。
厩戸皇子は、読むととにかく悲しくなって落ち込んでしまうので、読み返すには勇気がいります。
薔薇はシュラバで生まれるー70年代少女漫画アシスタント奮闘記ー
山岸凉子先生の、天人唐草にまつわるエピソードが描かれているということで、購入しました!
当時の少女漫画界の雰囲気が伝わってきて、とても楽しく興味深く読めました。
ガラスの仮面の美内すずえ先生の登場が多いですね。私はあまり知らないのですが、それでも楽しめました!
登場人物が、みんな才能豊かで情熱的。元気になれます!
そして、山岸凉子先生も天人唐草という作品を描くのが怖かったというエピソードを読んで、本当に怖い作品だったんだなと改めて思いました。
山岸凉子先生の「天人唐草」。私の人生に影響を与えた作品であること間違いないです。
長々と語ってしまいました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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山岸凉子先生の「舞姫 テレプシコーラ」について感想を書いています。
https://kamonemudo.com/maihime/